Question
早期接触って問題なんですか?
Answer
一瞬ですが、早いことが大問題になります。
噛むとき歯同士がぶつかり合う力は非常に強く、普通はこの力が、上下のあごにそれぞれ十四、五本ある歯に分散されていますが、早期接触が生じると、浮いた歯が一身にこの力を受けます。
早期接触がよく見られるのは、修復物―詰め物・冠・差し歯・入れ歯などが合っていない場合です。修復物が高ければ、すぐに早期接触が起きて「当たる」感じになります。逆に修復物が低い場合は、他の複数の歯にジワジワと早期接触が起こります。これはゆっくり発生するために、患者さんが気づきにくいという問題があります。修復物のための早期接触で、膿漏が悪化しているケースは大変多くあります。よほどよく注意して修復してくれる歯科医にかからないと、大切な残存歯に高い確率で咬合異常が起こります。
歯が抜けたままだと、自然に片側で嚙む癖がつきます。この噛み癖(片噛み)で咬合の中心が狂い、「噛む側の歯列」の第一小臼歯や、噛まない側の第二大臼歯などが、軽い早期接触を起こしていることもあります。これらの歯が歯槽膿漏になりやすいのは、ある意味で早期接触が基盤となっているとも言えるでしょう。
※参考書籍
「歯槽膿漏 抜かずに治す」 片山 恒夫 著 恒志会