Question

小児期の矯正にはどんな意義があるのですか?

Answer

早期矯正治療について、その人にとってどのように歯が生えてくるのか(生体に備わった素質)によって次のような意義が述べられています。

 

1.生体に備わった素質が正常咬合への方向をもっており、何らかの環境によってそこから外れてしまった場合

早期治療によって永久歯に生えかわった後の治療を不要にすることができます。

 

2.生体に備わった素質が正常咬合からやや外れている場合

早期治療による抑え込みによって、永久歯での治療を不要にできる場合もあります。しかしこの範囲は一般的に想像されているよりも狭く、多くは後の成長発育によって本来の素質が再現し、再度の矯正治療が必要となります。

 

3.生体に備わった素質が正常咬合から大きく外れている場合

成長発育に伴ってさらにその傾向が強くなります。

 

早期矯正治療の意義は、全ての患者さんの本来の素質を正常咬合へと変えようとすることではありません。個々の患者さんの本来の素質を見極め、それを尊重しながら早期矯正治療の必要性と治療目的を見極めることにあります。早期矯正治療を行うかどうかは、肉体的な要因に加え、精神的、社会的要因も考慮し判断します。当然、永久歯列期の矯正治療を行う可能性も十分考慮して治療計画を立案しなければなりません。

 

※参考書籍
 「月刊 小児歯科臨床 2016.5」 全国小児歯科開業医会(JSPP)

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