Question
X線写真で、口腔内に築造体の存在が疑われます。金属の築造体のアレルゲンの有無は、どのようにして調べればよいですか?
Answer
クラウン(被せ物)の中に築造体がある場合、口腔内に露出していないので、直接金属成分を分析することはできません。
外側のクラウンを金属成分分析してアレルゲンが存在するならば、そのクラウンを除去することになり、その時に内部の築造体が露出するので、金属成分分析は可能になります。
クラウンにアレルゲンが含まれず、二次カリエスや根管治療の状態も問題ない場合、安易に除去することはできません。その場合、X線像で形態から推測するのが一法です。
ネジ状や直線的な像の場合、スクリューピンや既成ポストの可能性があり、ステンレス製や真鍮製の可能性が考えられます。ステンレスではニッケル(Ni)、クロム(Cr)、コバルト(Co)、鉄(Fe)、モリブデン(Mo)、マンガン(Mn)等が含まれている可能性があり、真鍮の場合は、銅(Cu)、亜鉛(Zn)が含まれます。
曲線的なX線像の場合、鋳造ポストが考えられます。前歯部で比較的長さがある場合は、金銀パラジウム合金の可能性が高く、臼歯部では金銀パラジウム合金や銀合金、古いものではアマルガムの可能性もあります。
上部構造体を外して築造体の金属成分分析検査をするか否かは、患者さんの陽性元素と、推察される築造体の含有元素を患者さんに説明した上で、患者さん本人の意向を尊重することが必要と考えられます。
※参考書籍
「歯科アレルギーNOW 疾患の基礎と臨床のエッセンシャル」
編集 海老原 全、松村 光明、原澤 秀樹、北崎 祐之
デンタルダイヤモンド社