Question
等尺性筋訓練法について教えてください。
Answer
等尺性機能訓練法はアイソメトリックトレーニングとして筋力低下のあるものに対して、その増強を目的として行うものであり、等尺性筋収縮により筋力が高まることが知られています。
トレーニングの目的・効果は3つに分類されます。
1.骨と靭帯はトレーニングによって可動性あるいは可動域の増大につながってくる。
(顎関節症においては、特に開口量と関係が深い。)
2.神経系は、与えられた刺激に対し可能な限りすみやかに反応する能力をつける。
3.循環系は長距離ランナーのように与えられた負荷においてできる限り長時間対応できる能力を養う。
これらは最終的には筋力に関係してきます。筋力の増強は筋力を日常使っている程度以上に出さなくてはいけません。日常使っている程度の筋力では一日何回繰り返しても筋力は増強できません。
日常使っている筋力以上に力を出してトレーニングする方法がアイソメトリックトレーニングです。
(強い力で筋肉を拮抗して力を連続的に入れるため、急性期の機能障害には適用できません。ある程度症状が軽減してから咀嚼筋の筋力増強のために行うべきです)
トレーニング方法
A.下顎を閉口しようとする動きに対抗して、下顎を引き下げる
口のうちに指をかけ、閉じようとする動作に対し抵抗する力で下方に引っ張ります。
B.下顎を開口しようとする動きに対し、下方より突き上げる
下顎を閉じ、顎にコブシをあて、開こうとする動作に対し、抵抗する力を加えます。
上記のA、Bを、10秒間ずつ10回繰り返して、1日に3セット行います。
※参考書籍
「美しい表情は噛み合わせから」
稲葉歯科医院顧問 元日本歯科大学教授 稲葉 繁
稲葉歯科医院 院長 稲葉由里子