Question

最近口がよく乾きます。今後この状態が続くとどうなりますか?

Answer

そのような状態を口腔乾燥症(ドライマウス)といいます。

口が乾く原因はだ液が出ないためです。もちろん口をあけたままにしていても乾燥します。

 

ドライマウスになると以下のような症状が表れます。

1.喉が渇いて常に水分がほしくなる

2.口の中がネバネバし、カラカラになって不快

3.パンやクッキーなど、パサパサした質感の食品がうまく食べられない

4.味覚の異常

5.食べ物を飲み込みにくくなる

6.舌が痛い

7.入れ歯を入れていられない

8.むし歯や歯周病になりやすい

9.風邪をひきやすくなる

10.肺炎を発症しやすくなる

 

口の中には多くの微生物が存在し、微生物の集団を形成しています。すでに住み着いている微生物は、外から新しく入ってくる細菌が定着するのを嫌うので、そのことが感染を防ぐことにつながっています。

しかし、だ液が減少し、その性質が変わってしまうと、口の中の微生物のバランスが崩壊し、口での防御作用が損なわれてしまいます。高齢者や手術後の患者さんなどは、免疫力・体力が落ちているときにドライマウス状態になると、感染を防御することができずに、有害な細菌が繁殖して、それが口の中のみならず全身にも悪影響を及ぼすことがありますので注意が必要です。

ドライマウス症状1

ドライマウスの症状1 水分がなくなっています

ドライマウス状態です。水分がなく、舌が乾燥しているのが分かります。白い斑点は舌苔です。細菌が繁殖しています。

ドライマウス症状2

ドライマウスの症状2 高齢要介護者は注意が必要

ドライマウス状態の高齢要介護者の口腔内です。口から食べない方の場合、特にケアが必要となります。口の機能が衰えたことに加え、口の中が不潔であると、肺炎発症のリスクが高まります。

ドライマウス症状3

ドライマウスの症状3 カンジダ性口角炎

ドライマウスに伴い、カンジダ性口角炎を発症したケースです。ひび割れしやすく、自然治癒しにくい状態となっています。ステロイド軟膏を塗布し続けているケースが多く、注意しなければなりません。抗真菌剤が効果的です。

※参考書籍
 「ドライマウス 今日から改善・お口のかわき」
 阪井 丘芳 著  医歯薬出版株式会社

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