Question
漢方薬と西洋薬って何が違うの?
Answer
漢方薬
漢方といえば、中国の医学というイメージがあるかもしれません。しかし実際は、漢方とは古代中国の伝統医学(中医学)をもとにして、日本で独自に発展して作られたものです。
漢方薬は、数種類の生薬を組み合わせることで作られた薬です。生薬は、植物や動物、鉱物を乾燥させたり、蒸したりして作られ、それぞれの生薬が多くの有効成分を含んでいるため、漢方薬はさまざまな作用をもっているという特徴があります。患者さんの体質やそのときの状態によって、その人の生体システム(免疫系や神経系、内分泌系など)に合った漢方薬が処方されるので、違う病気に対しても、体質や症状が似ていれば、同じ漢方薬が用いられることがあります。
漢方薬は、さまざまな生薬が組み合わされているため、なぜ効くのか、そのメカニズムを解明することはむずかしいですが、徐々に明らかになってきており、一部は医療用医薬品として認可されています。
西洋薬
西洋薬は、単一の成分をピンポイントに体の悪い部分へと作用させる、という特徴があります。
例えば、感染症にかかれば「抗生物質」、熱が出れば「解熱剤」、血圧が高くなれば「降圧剤」という具合です。西洋医学では、まず病気の原因を突き止め、それに合った薬を処方するため、同じ病気だと診断された場合は同じ薬が処方されます。
※参考書籍
「Newton 2015年8月号」 株式会社 ニュートン プレス