Question
前歯が重なっているのですが、抜かずに削って矯正すると言われました。削ってもよいのですか?また、どれくらい削ってもよいのでしょうか?
Answer
歯の側面の部分を少し削り(ディスキング)、特にその方法をIPR(Interproximal Enamel Reduction)と呼びます。歯を並べるスペースを作るため、固定式矯正装置やマウスピース型矯正装置とともに行う治療方法です。軽度・中度の叢生はIPRで治療することができます。
IPRのメリット
1.歯を並べるためのスペースを作るができる
2.ブラックトライアングルを減少することができる
3.歯の形態を整えることができる
4.上下顎の噛み合わせを調整することができる
5.大きい歯を小さくすることができる
などがあります。
以下の図はFillionが考案したIPRチャートです。
上記チャートを一部改変し、まとめたものが以下です。
これは、1つの歯に存在するエナメル質の幅から導き出したもので、可能なIPRの最大量を示しています。このプロトコールに従って隣接面のエナメル質を削合すれば、それによりカリエスリスクが増えることはありません。必ずしもIPRチャートと口腔内が完全に一致しているとは限りません。
計画した歯の移動を確認し、コンタクトがきつく実現が不可能と判断した場合には、IPRが必要となります。
※参考書籍
「アライナー矯正治療」
ワーナー・シュープ、ユリア・ハウブリッヒ 著
丸善プラネット株式会社