Question

根管治療後に発症する通常の術後疼痛はなぜ起こるの?

Answer

術後疼痛は、患者が歯科医院を離れた後に急性的に起こる痛みのことで、その発症率は条件や文献によって大きな幅があります。軽微なものも含めると、根管治療を受けた65%の患者に何らかの疼痛や深い症状がみられるとされています。

Glassman G, Krasner P, Morse DR, Rankow H, Lang J, Furst ML. A prospective randomized double-blind trial on efficacy of dexamethasone for endodontic interappointment pain in teeth with asymptomatic inflamed pulps. Oral Surg Oral Med Oral Pathol. 1989; 67(1): 96-100.

そのうちの20~25%は鎮痛剤が必要であったり(中等度の疼痛)、鎮痛剤でも効果がない重度の疼痛を経験するとの報告があります。

Marshall JG, Liesinger AW. Factors associated with endodontic posttreatment pain. J Endod. 1993; 19(11): 573-575.

痛みの強度の分類
痛みの強度 症状
なし 疼痛や不快症状なし
軽度 鎮痛剤が必要ない程度の疼痛
中等度 鎮痛剤で治まる程度の疼痛
重度 鎮痛剤を服用しても収まらない激しい疼痛

 

痛みのピークは12時間以内で、ほとんどは48~72時間以内に治まり、長くても7日間で治まるとする報告が多くあります。

Jaclyn G, Pak BS, White SN. Pain prevalence and severity before, during, and after root canal treatment: A systematic review. J Endod. 2011; 37(4): 429-438.

痛みの原因は、根尖歯周組織に与えられた刺激により起こった急性炎症と考えられています。根尖部への刺激には、機械的刺激(咬合、暴力的な器具操作等)、化学的刺激(根管洗浄液、貼薬剤、充填材等)、細菌学的刺激があります。

 ※参考書籍
 「世界基準の臨床歯内療法
 石井 宏 著  医歯薬出版株式会社

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