Question
低年齢児(歯の生え始めから3歳未満)への家庭内フッ化物応用について教えてください。
Answer
1歳のお誕生日を迎える頃から3歳頃までの、吐き出しができないお子さんに対する家庭内フッ化物応用に関しては注意が必要です。
永久歯の前歯の歯冠が完成するのは5歳頃です。したがって、この時期までにフッ化物を過量に摂取すると前歯部の「歯のフッ素症」発現につながります。特に、吐き出しができない3歳頃までは、フッ化物の種類や使用量について配慮しなければなりません。
ブクブクうがいができるようになったら(4歳頃から)、フッ化物洗口を行ったり、一般的なペースト状のフッ化物配合歯磨剤を子ども自身で使うことができます。
低年齢児(歯の生え始めから3歳未満)への家庭内フッ化物応用の特徴
1.吐き出しができない1~3歳未満には、次の4通りのものがあります。
■低濃度(フッ化物濃度100ppmF)のフッ化物溶液による歯磨き
■泡状のフッ化物配合歯磨剤の塗布ブラッシング
■ジェル状のフッ化物配合歯磨剤(フッ化物濃度500ppmF)によるダブルブラッシング
■フッ化物スプレーの噴射
2.寝かせ磨きの際に利用できます。
3.歯科医院での定期的なフッ化物歯面塗布と組み合わせて行うことができます。
4.低濃度のフッ化物溶液による歯磨きは、1日1回、就寝前の寝かせ磨きのときに応用します。
5.泡状およびジェル状のフッ化物配合歯磨剤、またはフッ化物スプレーは、1日3回、寝かせ磨きの後に歯面に塗布するように”応用します。
6.低濃度のフッ化物溶液は歯科医院で作製してもらいます。泡状のフッ化物配合歯磨剤、フッ化物スプレーは歯科医院のほか、薬局などでも入手可能です。
7.どれを選んでも口の中に残るフッ化物の量は問題のない量であり、吐き出しができなくても使えるものです。
※参考書籍
「新フッ化物ではじめるむし歯予防」
筒井 昭仁 八木 稔 編 医歯薬出版株式会社