Question

歯並びをよくするためにはどうしたらよいですか?

Answer

歯並びとは、顎の上に歯がどのように並んでいるかということですが、歯並びがよいか悪いかについては、二つの見方があります。

一つは見た目の歯並びのよさで、もう一つはものを食べるのに都合のよい歯並びです。多くの人は、歯並びというと見た目のことを気にしますが、身体にとって本当に大切なのは、ものを食べるのに都合のよい歯並びかどうかということです。

どのような歯並びになるかは、顎の発育の程度と歯の大きさ、そして歯が生えてくる頃にどのような顎の使い方をしていたかなど、さまざまな因子により変わってきます。

歯の大きさは遺伝により決まっていて、どのような大きさの歯が生えてくるかは生まれる前から決まっています。

では、顎の大きさはどうでしょう。顎は、全身の骨格の一部ですから、全身の骨の発育と大きな関係があります。そのため、身体が発育する時期に悪い姿勢でいると、顎の発育はその影響を受け、ゆがみやずれを生じてしまいます。

なかでも大切なのは、食事のときの姿勢で、茶碗の持ち方や箸の使い方等、正しい作法を身につけることが重要です。正しい姿勢で食事をすると、奥歯でしっかりと食べ物を噛むことができますが、姿勢が悪いと奥歯でしっかり噛むことができません。また、姿勢が悪いと、かたい食べ物をしっかり噛むこともできません。

奥歯で正しくものを噛むことは、とくに子供の頃に大きな働きをします。実際、赤ちゃんは、生後6ヶ月頃から乳歯が生えてきますが、歯が生え始めると何かを噛みたくなります。このとき、どんどん噛ませることで大人の身体では想像もつかないような発育が始まりますし、噛む力も強くなっていきます。そして、さらに噛むことによって顎の骨も発育していくのです。

顎の骨が正しく発育すれば、歯の生えるスペースが十分に確保され、きれいな歯並びになります。これに対して、顎の骨の発育が不十分な場合は、歯の大きさと顎の大きさとがアンバランスになり、歯がきれいに並びきれずに、乱杭歯や八重歯になるなどしますし、顎にも負担がかかります。

正しい姿勢で、奥歯でしっかり、回数多く噛むことは、顎の発育をうながし、よい歯並びを導きます。日頃から、噛みごたえのある食べ物をしっかり食べて、顎を鍛えましょう。

 

※参考書籍
 「POSTURE(ポスチャー) 1998年11月号」
 丸茂 義二先生
 一般財団法人 第一生命財団
 (旧 一般財団法人 姿勢研究所)

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