Question
歯周病と全身疾患はお互いに影響するのでしょうか?
Answer
20世紀の末から歯周組織の慢性炎症や歯周病菌が全身に悪い影響を及ぼすという臨床研究が数多く報告され、歯周病と全身疾患は互いに影響し合うメカニズムが存在しているという考えが定着しました。
天野敦雄, 岡賢二, 村上伸也(監修). ビジュアル 歯周病を科学する. 東京:クインテッセンス出版, 2012.
天野敦雄, 稲葉裕明. 歯周病と4つの全身疾患. 臨床薬理 2011; 42: 65-66.
歯周ポケット内面に形成された潰瘍面から歯周病菌が毛細血管に侵入し(菌血症)、全身を駆けめぐります。その結果、さまざまな全身疾患を発症させたり悪化させたりします。内臓肥満を基盤として発症するメタボリックシンドロームは高脂血症、高血圧、糖尿病などを進行させ、生活習慣病の原因となります。歯周病と肥満、あるいはメタボリックシンドロームとの関係も疫学調査から明らかになっています。
※参考書籍
「あなたの知識は最新ですか?歯科衛生士のための21世紀のペリオドントロジーダイジェスト」
天野 敦雄 著 クインテッセンス出版株式会社