ドクター よく噛むこと+「舌出し体操」で脳の活性化
2014.09.25
年をとると「噛む力」が弱くなります。これをアップさせる簡単な体操をご紹介しておきましょう。
それは「舌出し体操」というものです。父がやっていたものです。やり方は簡単で、口を大きく開けて、舌を思い切り出すだけ。イメージとしては、アインシュタインが舌を出している写真。あんな感じです。
父はこの舌出し体操を朝起きたあとに百回ほど繰り返していました。これによって舌の筋肉が鍛えられて、風邪を引きにくくなり、脳の血流がよくなるのだと言っていました。実際に父が九十六歳のときに受けた検査では、脳の血流は四十代に匹敵すると診断されていました。
だんだん年をとると、顎に力を入れたり舌を出したりすることが少なくなります。この体操は顎の骨を開け閉めしますから顔の筋肉のストレッチにもなりますし、噛みしめる力の強化にもつながります。
この舌出し体操は父の直伝ですが、ヨガの本を見ると舌出しのポーズというものが載っています。つまり、昔から健康法のひとつとして認識されていたのでしょう。
一度に百回はできなくても、一日合計して百回舌を出すことを目指してやってみるといいでしょう。お金もかからないし、それほど努力もいらない若返り健康法です。
知り合いの病院の院長が言うには、患者さんがこの舌出し体操の話を聞いてお互いに舌を出し合っているそうです。おかげで患者さんの体調が良くなったと喜んでいました。
※「65歳から始める健康法 心と体のメタボからの脱出」 三浦 雄一郎 致知出版社
院長からのコメント
「噛むこと」と「舌を出すこと」はとても大切なことです。
「噛むこと」によって唾液の分泌が促進され、集中力が高まります。口のまわりの筋肉も使うので、血流がよくなり、お顔のアンチエイジング・脳の活性化、ボケ防止にもつながります。
書籍にあるように、「舌を出すこと」で舌筋が鍛えられます。舌の定位置は前歯の裏の歯ぐきに接触しているべきであり、これは唾を飲み込んだときの位置です。舌が定位置にあると口呼吸でなく鼻呼吸をすることができます。もし舌を維持することができず落ちてきてしまったら、長時間口を閉じることが困難になります。「あいうべ体操」を考案されたみらいクリニックの今井一彰院長がおっしゃっているように、鼻呼吸のメリットは全身疾患までも改善できるということです。
「噛むこと」と「舌を出すこと」は当院でおすすめしている「あいうべ体操」で鍛えることができます。子どもも大人も「あいうべ体操」で健康な体を手に入れましょう。