Question

歯周病はどこから感染するんですか?

Answer

「歯周病菌の感染ルートは不明ではない」とは言えますが、「歯周病菌の感染ルートは明らかにされた」わけでもありません。
Aさんの口の中に歯周病菌が見つかったとしましょう。この歯周病菌は、どこからどのようにやってきたのでしょう。歯周病菌は嫌気性菌ですが、体の中で嫌気性の常在菌がいるところといえば腸内が最初にあげられます。実際、歯周病の原因菌として非常に有名なP.g.菌(Porphyromonas gingivalis)の親戚にあたるバクトロイデス属は、腸内細菌の半分を占める上得意様です。そのため、P.g.菌は腸内からやってきた、というようなストーリーも考えられますが、証明されていません。となると、Aさんと仲のよいBさんから歯周病菌が移った、というのはどうでしょうか?これは十分ありえることです。しかし、細菌の伝播は現行犯逮捕できません。AさんとBさんが「そんなことをしたら移るんじゃないの?」というのはあるかもしれませんが、それでも歯周病菌の伝播は目では見えません。そのため、AさんとBさんが全く同じDNAの歯周病菌をもっているかどうかを調べることになります。そういう調べ方をすると、2つのことがわかりました。1つは「歯周病菌はコンタクトする機会の多い人同士で共有することが多い」ということ。そしてもう1つは「歯周ポケット内で見つかる歯周病菌の多くが唾液でも見つかる」ということ。これで歯周病菌の感染ルートの1つに“唾液”が注目されるようになってきたのです。やっぱりAさんとBさんは怪しい・・・。

伝播 → 定着 → 感染

伝播は感染の前提条件です。伝播しても特定の部位で定着し、病原性を発揮しなければ感染に至りません。

※参考書籍 「ペリオバカ養成講座~学びの門戸を開くための100の質問~」
      山本浩正 著 医歯薬出版株式会社

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