Question
歯の根っこの処置をした後の痛みについて教えてください。
Answer
根管処置後の痛みのことを術後疼痛(フレアーアップ)といいます。
術後疼痛(フレアーアップ)は急性的に生じ、12時間までがピークで、通常は72時間以内に治まる疼痛とされています。
長引く疼痛(侵害受容性疼痛以外の疼痛)とは異なります。
統計では、65%以上の患者さまは根管治療後に何らかの痛みを感じていますが、そのほとんどは2~3日で消失しています。
術前に疼痛がある症例は、術後疼痛(フレアーアップ)が出現しやすいのですが、根尖病変があるかどうかに関しては今のところ分かっていません。
ちなみにはじめての根管治療(イニシャルトリートメント)と再根管治療(リトリートメント)では、再根管治療のほうが術後疼痛(フレアーアップ)が生じやすいというデータもあります。
また、外科を伴わない再根管治療をした後に、臨床症状(瘻孔や疼痛)が消えない場合、外科による再根管治療をすることになります。
レントゲン写真の診断で治療をするかどうかを決めるときには術後経過期間の長さが重要になってきます。なぜなら、病変が治癒するまで十分な時間が必要とされるからです。
とある論文では、「術前に根尖病変のある歯が完全に治癒するまで4~5年必要であり、レントゲン写真の診断では術後1年で89%は治癒傾向に向かう」とあります。
術後1年でレントゲン写真の診断で治癒傾向が認められなければ、外科による再根管治療が必要となるかもしれません。
※参考書籍
『歯内・歯周・補綴治療の臨床判断 「こんなときどうする?」を解決するヒント26』
赤野弘明 岡崎英起 牛窪敏博 クインテッセンス出版株式会社