Question
レントゲンを診ると根っこの処置に使う針先が折れて残っていたようですが、取り除く必要はありますか?
Answer
根っこの処置に使う針先で折れて残ってしまったものを「破折ファイル」といいます。
まず『破折ファイルを除去すべきか否か』を決めることはとても重要なことだと認識してください。
とある論文では、「ファイルが破折する頻度は数パーセントであり、その治癒にはほとんど影響しない」とあります。
つまり、破折ファイルをあまり問題視することもないと考えられるのです。
【術前に破折ファイルが存在する場合の考え方】
治療が必要な歯の術前レントゲン写真で歯の根っこのなかに破折ファイルが確認できる場合、3つのポイントを診査します。
1.根尖病変の有無
2.根管充填の状態(質)
3.臨床症状
再補綴のために治療を開始する症例で、病変もなく充填も厳密で症状もなければ、除去はせずに、破折ファイル上端部の可能な範囲まで歯を形成して、根管充填を緊密に行い、経過観察をします。
一方、根尖病変が存在するなら、除去する必要性が高くなり、痛みの既往があればなおさら必要となってきます。その場合、痛みの原因は破折ファイルが存在する歯の根っこかどうかを調べることが重要となってきます。
※参考書籍
『歯内・歯周・補綴治療の臨床判断 「こんなときどうする?」を解決するヒント26』
赤野弘明 岡崎英起 牛窪敏博 クインテッセンス出版株式会社
「新 楽しくわかる クリニカルエンドドントロジー」小林 千尋 著 医歯薬出版株式会社