Question
前に麻酔がなかなか効かなかったことがあります。
Answer
患者さんの服用しているお薬によっては、麻酔がまるで効かないことがあるので、歯科医師にどんな薬を服用しているかを必ず伝えましょう。
また、残念ながら、炎症が大きくなるほど、局所麻酔が効きにくくなってしまいます。炎症が大きいほど、その場所は強い酸性になります。アルカリ性の麻酔薬を注入すると、中和してしまい、思うように麻酔薬の効果が発揮されないからではないか、と考えられています。
まして、痛むところに注射すると思うだけでも、痛みに対する閾値(感覚の敏感さ)は高くなるものです。歯の痛みを我慢せず、早めの来院をお願いいたします。
とくに麻酔が効きにくいのは下あごです。浸潤麻酔をする場合、下あごの歯槽骨は硬く厚い骨で覆われているため、患者さんによっては歯槽骨の内側にある海綿状の骨までしっかりと薬剤を浸み込ませにくいことがあります。
そうしたときは、浸潤麻酔を何本か追加するか、伝達麻酔でガッチリと麻酔をかける、あるいは精神鎮静法と併用するなどして対応をします。
ただ、精神鎮静法にも限界があり、「絶対に寝ないぞ」と頑張るかた、興奮が著しいかたの場合十分に効かないことがあります。そうした患者さんに全身麻酔ならばしっかりと効きます。
※参考書籍 「nico 2013.3 クインテッセンス出版株式会社」