Question

糖尿病は骨粗しょう症をより悪化させるって本当?

Answer

骨粗しょう症といえば骨がスカスカ(骨密度の低下)と想像される方も多いのではないでしょうか?確かに、骨密度(骨の量)は骨強度を保つために非常に重要です。しかし、中には骨密度がそれほど低下していなくても脆弱性骨折を起こす方がいます。近年ではさまざまな研究が進み、骨強度は骨量だけではなく「骨質」も重要であることが明らかになっています。ヘモグロビンA1cと同じように、骨量だけではなく質が大事なのです。その骨の質(骨質)が悪くなる代表的な病気が糖尿病です。

骨粗しょう症は糖尿病と同様に、骨密度や骨強度が低下しても症状に現れず、身長低下や円背(えんぱい)、骨折によって初めて自覚されます。骨粗しょう症による骨折を脆弱性骨折と呼び、起こりやすい部位は大腿骨近位部(鼠径<そけい>部)、椎体(背骨)、前腕骨遠位端(手首)、上腕骨近位部(肩関節・腕)、肋骨(ろっこつ)などです。特に、大腿骨近位部骨折と椎体骨折が起こると生活に大きな影響を及ぼすだけではなく、寿命が短くなることがよく知られています。海外の人に比べて日本人では椎体骨折のリスクが高く、椎体骨折の約7割は無自覚症の「いつの間にか骨折」といわれています。身長が若い時に比べて2~4cm低下していれば「いつの間にか骨折」がある可能性があるため、一度主治医の先生に相談してみるとよいですね。

 

※参考書籍
 「月刊 糖尿病ライフ さかえ 2022年7月号」
 公益社団法人 日本糖尿病協会

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