Question
日中起こる食べ物の誤嚥は分かるけど、夜間に唾液や胃食道逆流による誤嚥が起こってるって本当?
Answer
確かに、「本来は気道に入ってはいけないモノが侵入する」という意味では同じ誤嚥ですが、その入っていくモノのサイズや形状が違っているといえます。大きな誤嚥と小さな誤嚥に分けて考えることができます。
大きな誤嚥(macro-aspiration)は、口にした食べ物を誤嚥するということです。大きな誤嚥は、ムセなどの症状が現れることも多いので、誤嚥していると判別がつきやすいといえます。
小さな誤嚥(micro-aspiration)は、口にたまった唾液や汚れ、胃食道逆流で口腔や咽頭に残った胃の内容物が静かに、いつの間にか気道に入っていく、というイメージです。夜間の誤嚥や胃食道逆流による誤嚥は主にこちらに含まれます。小さな誤嚥は外見からはわかりにくいものがあります。夜間の誤嚥というのは健常者でも起きているものであり、防ぎようのないものでもあります。
対応策は、まずは摂食嚥下機能に問題があるということを想定し、食形態の調整に始まり、摂食時のポジショニングや介助法の検討などが必要になります。
※参考書籍
「口にかかわるすべての人のための誤嚥性肺炎予防」
米山武義 編著 医歯薬出版株式会社