Question
MRONJですが、根管治療・補綴歯科治療・保存修復治療・矯正歯科治療は行ってもよいですか?
Answer
外科的治療でなければ、これらはMRONJのリスク因子とはなりません。
根尖病変がある失活歯に対しては、MRONJのリスクを減らすために根管治療を行うことが勧められますが、歯根端切除術を行うべきではありません。
義歯以外(クラウン・ブリッジ)の補綴歯科治療、保存修復治療は問題ありません。
不適合義歯はMRONJの発症契機となる可能性があります。そのため、義歯においては、義歯に関する主訴がなかったとしても、義歯と顎堤粘膜に対する十分な検査と評価を行い、義歯の維持安定を確保するために、義歯の新製作やりライニングを行うべきです1)、2)。
骨吸収抑制薬を使用している患者に対して矯正歯科治療を行うことは可能です。
1)Ruggiero SL, Dodson TB, Fantasia J, Goodday R, Aghaloo T, Mehrotra B, O’Ryan F; American Association of Oral and Maxillofacial Surgeons. American Association of Oral and Maxillofacial Surgeons position paper on medication-related osteonecrosis of the jaw — 2014 update. J Oral Maxillofac Surg 2014; 72(10): 1938-1956.
2)Kim JW, Kwak MK, Han JJ, Lee ST, Kim HY, Kim SH, Jung J, Lee JK, Lee YK, Kwon YD, Kim DY. Medication Related Osteonecrosis of the Jaw.: 2021 Position Statement of the Korean Society for Bone and Mineral Research and the Korean Association of Oral and Maxillofacial Surgeons. J Bone Metab 2021; 28(4): 279-296.
※参考書籍
「MRONJのリスクがある患者の歯科治療を行う時に読む本」
著 黒嶋伸一郎、澤瀬隆、米田俊之
クインテッセンス出版株式会社