Question
親知らずを抜いた後に気をつけることはなんですか?
Answer
1.抜歯直後は止血のためにガーゼを噛んでいただきます。
抜歯が終わったら、傷口に丸めたガーゼを当ててしばらく噛んでいただきます。血が止まってきたのを確認できたら、帰宅OKです。その後も1日ほど骨から血がにじみ出ますが、これが固まって傷口をふさいでくれるのですから、心配はいりません。
とくに下あごの奥は血流が多く止まりにくい場所なのです。
2.出血量が増えたときはガーゼを丸めて噛みましょう。
家に帰ってから出血量が増えたときは、清潔なガーゼやティッシュを丸めて、傷口のところに当て、グッと噛みます。20分ほど噛んでいると止まってくるでしょう。
それでもまだ出血量が多いときは、歯科医師に相談しましょう。
3.ブクブクうがいはしないでください。
傷の治りが悪くなるので、ブクブクうがいはやめましょう。傷口は血が固まって血糊になりふさがれていきます。うがいで剥がれてしまうと、傷口に食べかすが入ったりしていつまでも治りません。
うがいをしたいときは、そっと水を含んで浸す程度にとどめましょう。
また、舌で触ったりするのもやめましょう。
4.鎮痛薬は痛むときだけ。抗生剤は処方どおりに。
通常、鎮痛薬と抗生剤(抗生物質)が処方されます。鎮痛薬は、痛くなければ飲まなくてかまいません。でも、抗生剤は最後まできちんと処方どおりに飲みましょう。
途中で止めると化膿止めの効果が上がりませんし、耐性菌の問題も起きやすくなってしまいます。
5.食事は反対側の歯で軟らかいものを。
抜歯後の食事はごく軟らかいものを、反対側の歯を使って食べます。おかゆや、ポタージュ・スープ、また当日食欲が湧かないときは、ゼリータイプの総合栄養食の酸味の少ないものを飲むのもいいかもしれません。
なるべく栄養を摂って体力を落とさないようにしましょう。
6.冷たすぎるシップはかえって痛みのもと。
腫れて熱をもちつらいときは、氷水でぬらしたタオルを当てると楽になるでしょう。
ただ、氷で極端に冷やしすぎると血行が悪くなり、治りも遅くなって痛みもかえって長引いてしまいますのでやめましょう。
気持ちよく軽く冷やすのがベストで、アイスノンはダメです。
熱をもっていなければ冷やす必要はありません。
7.しびれが出たら教えて下さい。
下あごの親知らずの歯根と神経が接していると、ていねいに抜歯をしても抜歯の刺激でくちびるにしびれの残ることがまれにあります。
ほとんどは薬を飲んで1~3ヶ月で治ります。 (報告では、しびれの発現率は0.4~5.5%、6ヶ月後もしびれが続くのは0.05%)
しかしごく軽いしびれが数年間残る患者さんも非常にまれにおられます。責任をもって対応させていただきますので、抜歯翌日の消毒時にかならずお教えください。
8.当日は歯みがき、激しい運動、入浴、飲酒を避けましょう。
傷口を刺激したり血行がよくなると、血が止まりにくくなります。そのため当日は、歯みがき、激しい運動、入浴、飲酒は避けてください。
歯みがきは、翌日から傷口を触らないように注意しながらはじめます。
激しい運動や飲酒は、できれば数日間は避けましょう。
9.頬の内出血はご心配いりません。
術後3~4日間は、骨からの出血が歯ぐきから頬にかけてこもり、おたふく風邪のようにぷうっと腫れます。そのとき骨を取った量によっては、頬に青く内出血が出ることがあります。
でも1週間ほどで黄色っぽい色になり、2週間もすれば消えてしまいます。ご心配はいりません。
10.抜歯の翌日と1週間後にかならず来院しましょう。
翌日には、かならず消毒のための来院をお願いします。出血や痛み、腫れ、しびれなどの術後経過について確認を行います。
親知らずの抜歯は、抜歯といえどもその内容は小外科手術。消毒はものの5分で終わってしまいますが、きちんと経過を確認することがたいへん重要なのです。
1週間後にもう一度治り具合を診て、抜糸をして経過がよければ治療終了です。
※参考書籍 「nico 2012.3 クインテッセンス出版株式会社」