Question
唾液には傷口を治す効果があるのですか?
Answer
「傷口をなめる」ことが傷口にとって良いことをヒトは知っています。
唾液の効用としてまず「洗浄作用」が挙げられます。「洗浄作用」とは、傷口の雑菌や異物を洗い流す作用のことです。
つぎにムチンによる口腔内でみられる粘膜コート機能は、傷口では乾燥を防ぐ「保護作用」として役立ちます。
さらにリゾチームなどによる「抗菌作用」、粘液性糖たんぱく質であるムチンによる細菌の「凝集作用」などが知られています。
その他、炎症を抑える作用など多くのことが議論されています。
またヒトは子どもの時にすり傷を作ると親がそこをなめて「痛いの、痛いの、飛んでいけー。」などとおまじないをかけてくれたことを記憶しているものです。この記憶は、傷口をなめる動作から安心感を体中に呼び起こしてくれるのです。これも立派な効用です。
※参考書籍
「口が元気なら、若い!ぼけない!口腔からウェルエイジング」
著 阿部伸一 クインテッセンス出版株式会社