Question
「おいしい」って感覚はどこで感じているんでしょうか?舌ですか?
Answer
舌の粘膜には「味蕾」という味を感じる装置があります。味覚には「甘味」「塩味」「酸味」「苦味(辛味)」そして「うま味」という5つの基本味があり、「うま味」以外の4つの基本味は感じる場所が決まっています。辛いもの、苦いものなどは舌の奥のほうで感じます。噛んでしばらくして「辛い!苦い!」とびっくりするのはそのためです。
味蕾は、上あごやのどの奥、すなわち咽頭、喉頭蓋にまであります。たとえば、甘く軟らかいシュークリームは舌で上あごに押しつぶして食べますね。ぬるめのお味噌汁は口の前方に少しためて味わいます。冷たいジュースは一気に飲んでのどの奥で「冷たいおいしさ」を楽しみます。これは味によって感じる場所が異なっている証拠。私たちは知らず知らずおいしく感じる場所をおぼえ、食べ方を工夫しているのです。
そして、味蕾は同じ味がずっと伝えられ続けると、慣れてしまって味を感じなくなるんです。でも、味に慣れた味蕾からつぎの味蕾へ食べ物を移動させれば、また味を感じるようになります。つまり、モグモグ噛んだり、舌があちこちへ食べ物を動かすことによって、おいしさを長く感じ続けられるというわけです。
食べ物を「なんておいしいんだろう!」とじっくり味わうには、口からのどまでの広い範囲の味蕾からおいしさを感じることが必要なんです。
※参考書籍
「歯のしくみ 口のしくみ」
阿部伸一 クインテッセンス出版株式会社