Question
小児・若年者の味覚障害について教えて下さい。
Answer
高齢者の問題であると思われるかもしれませんが、味覚障害は若年者の間にも増加しており、偏った食生活、精神的なストレスなどが関係すると報告されています。
若年者の味覚障害の原因(東北大学歯学部新入生調べ)
・自炊者に多い
・朝食を摂らない者に多い
・食事内容(摂取する食品の種類等)に関連する
・食事に対する意識(気をつけている)に関連する
・体重減少と関連する場合がある
上記を見ると、高齢者にみられるような全身新刊や服用薬剤の影響、唾液分泌量低下、生活環境(ストレス、昼夜逆転、睡眠不足など)ではなく、食事に対する意識や食事の内容との関連性が高いことが分かります。
つまり、味覚正常者は、「多種類の食品をとる」や「バランスよくとる」など食生活に対する配慮がみられたのに対し、味覚障害者は食生活への関心が少ないことがうかがえます。また、味覚障害者には朝食の欠食や偏食が多く、体重減少や貧血様症状が多くみられたとのことです。
味覚障害者に対して食事指導を行った結果、多くの味覚障害者に食生活の改善がみられ、味覚検査値に加え体重減少や貧血様症状も改善されたという報告もあります。
これらの結果から、若年者の味覚障害には食事が大きく関係しており、食育の重要性が示されたことになったと思います。健全な味覚を維持するためにも、小児からの食育についての取り組みも大切になってきます。