Question
小学校の時期は、乳歯から永久歯へ生えかわる時期ですが、どんなことに注意したらいいのですか?
Answer
1.前歯の生えかわりの時期は、口唇を閉じて食べ物を噛む。
できない子どもには口唇のトレーニングを!
1)破裂音の練習
口をしっかり閉じ、口の中を陰圧にしながら、「ぱっ」と音を立てて口を開けましょう。これを繰り返すことにより、口の周りの筋肉が鍛えられ、口が閉じやすくなります。
2)口輪筋のトレーニング
※口輪筋がかなり弱い場合や短期間で筋力をアップさせる方法
(必要なもの・・・ペットボトル、5円玉程度の大きさのボタン、紐)
ボタンとペットボトルを紐で結び、水を適量入れます。初めは水なしでもよいですが、筋力がついたら水野量を増やしていきます。口唇でボタンでくわえ、ペットボトルを1分間ぶらさげましょう。
3)その他
紐の両端にボタンを結び、ボタンを引っ張り合う「ボタン相撲」や、風船をふくらませる、細長いストローで水を吸うことなども口の周りの筋肉を鍛えるのに有効です。
2.上下の歯をしっかり噛んで(舌を口蓋にしっかりつけて)食べ物を飲み込む。
上手にできない子どもには舌のトレーニングを!
・ガムを使用した舌の挙上訓練とタッピング(舌を口蓋に打ちつける動作)
1)ガムを噛んで軟らかくした後、舌の上で丸めて舌の前のほうに置く
2)舌でガムを口蓋に貼りつける
3)口蓋についているガムを舌で押し広げる
4)ガムを舌で口蓋に押し付けたまま唾液を飲み込み、ガムの広がりを見る
(ガムが前後に伸びていれば良好)
※補足
噛みしめのトレーニング
1)~4)の後に、「5)ガムを強く噛みしめる」
3.前歯がきちんと生えかわったら、食べ物を噛みちぎっているか確認する。
パンを食べるとき、前歯で噛みちぎっているかをチェックします。前歯を使うことを教えましょう。前歯を使っていないと、歯に備わっている感覚受容器が廃用性萎縮を起こし、固いものを噛めなくなるだけでなく、脳への情報不足により食べ方が学習できません。
4.食事中、できるだけ水やお茶、牛乳を飲まないように指導する。
よく噛むことによって唾液の分泌が促され、食塊をスムーズに飲み込めるようになります。
5.片噛みになっていないか確認する。
小学4、5年生頃は、側方歯が生えかわるため、片噛みになりやすいので要注意です。
※参考書籍
「歯と口から伝える食育」
岡崎 好秀・武井 典子 編著 東山書房