Question
筋機能療法(トレーニング方法)について教えてください。
Answer
STEP1 正しい舌の位置を覚える
舌の先を前歯の切歯、やや後方にあてる練習をします。
(この部分はスポットと呼ばれ、発音や唾を飲み込む際、舌の先を圧接、続いて舌の中央部に持っていくための重要なポイントになるところです)
この時、矯正で使用するゴムを舌の先に置き、これが唾を飲み込むときに後方へ移動していないかをチェックします。舌を前に出す癖があるとゴムが後方に移動しますので、舌の癖があるかどうかのチェックに有効です。
↓スポットの確認
↓嚥下後にゴムが動いてなければ正しい嚥下が行われています
STEP2 舌の中央部の上顎(口蓋)への圧接
常に舌の先がどのような状況下でもすばやくスポットへの圧接が完全にマスターできているか否かを調べます。舌中央部の口蓋への圧接も最初はエラスティックバンドを使用し、唾を飲み込んだ後、鏡により移動がないことを確認します。
STEP3 舌の先、舌中央部、舌後方部の口蓋への圧接
舌全体を口蓋上部に吸い付けたまま、下顎の開閉運動を行わせます。この際、舌小帯が一直線に真っ直ぐ張られていることを認識してもらい、上下顎の歯をかみしめていただき、ゆっくり唾を飲んでもらいます。
STEP4 舌の先をスポットにあて、舌全体を口蓋に圧接
さらに、臼歯を噛みしめてゆっくりと唾を飲む訓練を行います。また、食物を噛む際スピードを徐々に増加し、リズミカルに噛み、唾を飲む訓練をします。練習する際は、デンタルフロスを下顎の犬歯と小臼歯にはさみ、これに舌が触れないように唾を飲みます。これができるようになれば完了です。
効果的に行うには、目立つ色のリマインダーマーカーやシール等を自分の生活の中で頻繁に目に付くところ、例えばドアのノブやテレビの前、机の上などに張り、これを見た瞬間に舌の先をスポットにあて、さらにゆっくり唾を飲むようにします。これが反射的にできれば効果はさらに上がってきます。
STEP5
正しい唾の飲み方と舌の使い方が無意識にできるように日常の習慣づけを行います。
※参考書籍
「美しい表情は噛み合わせから」
稲葉歯科医院顧問 元日本歯科大学教授 稲葉 繁
稲葉歯科医院 院長 稲葉由里子