Question

治療後痛くなったのですがあの先生、ヤブ?「本当に大丈夫なのかな」と心配なのですが・・・。

Answer

治療中や治療後に痛みが出ると「治療が失敗したのではないか」と不安になり、通院を中断してしまう患者さんがときどきおられます。
たしかに、治療にまつわる痛みはとてもつらいもの。しかし、治療中・治療後の痛みには理由があります。ことに治療後の痛みは、歯根の先まできれいに掃除をする熱心な先生ほど出る可能性があります。
先まで掃除をしないでおけば、ファイルによる刺激が小さく痛みは起きにくいのですが、その分汚れが残り、治療は不完全になってしまいます。

とはいえ、治療した歯が痛むと心配になりますよね。

痛みと毎日の食事について、不安を減らして治療をスムーズにするポイントをご紹介します。

1.治療後の痛みや違和感は6~7割の方が経験します。

根っこの治療で痛みを経験する患者さんはとても多いです。我慢できないほどの痛みから、ほとんど気にならない程度の痛み(違和感)まで含めると、6~7割の患者さんになんらかの症状が出ることが疫学調査でわかっています。

治療を受けるたびに起きる痛みや違和感はつらいでしょうが、実は珍しいことではなく、治療がうまくいっていてもふつうに起きる症状です。2~3日過ぎるとだいぶ楽になり(痛みのピークは48~72時間)、1週間もすれば、痛みのある患者さんの95%が治まっていきます。我慢できないような痛みでないならば、2~3日様子をみることをおすすめします。

2.痛みを我慢せず薬は早めに飲みましょう。

歯科医院でもらった痛み止めの薬は、「痛くなってきたな」「痛くなりそうだな」と思ったら、我慢せずに早めに飲みましょう。強い痛みを我慢すると、痛みに対する感覚が敏感になってしまって痛み止めが効きにくくなるからです。また、痛みのないときは、飲む必要はありません。

通常2~3日分が処方されますが、ご希望の方には、追加で処方もしますし、市販の痛み止めを飲んでもかまいません。ただ、薬を飲んでも効かないほどの強い痛みがある場合は、つぎの予約日まで待たずに歯科医院に連絡し、なるべく早く診てもらいましょう。

3.予約の間隔をあまり空けないで。

根っこの治療は、1週間に1回程度が理想です。治療の間隔は、長く空いたとしても4週間以内にしましょう。この治療では、掃除をした根っこに細菌が入らないようにシャットアウトする封の役割が非常に重要なのですが、治療途中の封は外して掃除することが前提の「仮の封」なので、耐久期間は4週間程度といわれています。

治療の間隔が1ヶ月以上も空くと、封の隙間から細菌が入りそれまでの治療が無駄になってしまうことも。治療は間を空けずに終わらせましょう。また、根っこの治療後の被せ物を入れる治療も、同じ理由で放っておかず早期に開始することをおすすめします。

4.治療した歯では噛まないでください。

根っこの治療後に食事をするときは、治療をした側で噛まないようにしましょう。内部を掃除中の歯には本格的な補強がされていないので、噛む力で割れてしまうことがあるからです。また、噛んだ刺激が痛みを誘発してしまうこともあります。

とくに、仮歯が入っている状態で噛むと、治療中の根っこに強い力が加わるので、トラブルの原因となることもしばしばです。根っこの治療中、仮歯が必要な方は、噛み合わせなどに注意してお過ごしください。仮の封や仮歯が取れたときは、歯科医院に至急ご連絡をお願いします。

※参考書籍
 「nico 2009.4 クインテッセンス出版株式会社」
 「nico 2017.6 クインテッセンス出版株式会社」

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